森林総合研究所 多摩森林科学園に桜を観察しに行ってきました
八王子にある多摩森林科学園に行ってきました。
ここには全国から集められた桜が植えられています。
遺伝子の保存のため、約600系統、1500本の昭和41年から桜保存林として観測を行っている所なんですって。
お花見に行ったというより観察しに行って来た!って表現する方がしっくりくる2019年の桜観測になりました。
森林総合研究所 多摩森林科学園
平日の昼間でしたが結構な人が桜目当てに訪れていました。
今回我々は別の用事もあったので車で行きましたが、森林科学園には駐車場がないので近くのコインパーキングに停めることになります。
電車の場合はJR・京王高尾駅から徒歩10分なのでアクセスもよさげ。駅からバスも出ています。
とにかく桜の種類が豊富で面白かった!!
八重咲などの品種はまだまだ蕾の状態が多かったのでこれからが見ごろ。まだまだ桜の観測ができそうです。
入場料は大人400円、子供(高校生まで)150円(4月のみ)
普段は大人300円、子供50円で入場できます。
桜の季節以外でも見どころたくさんあるので楽しめそう。
観察のためのガイドが豊富
園内の至る所に観察のガイドになるような表示がありました。
子供も大人も楽しめる内容。
今まで漠然と「これはー、ケヤキっぽいなー」とか「松、うん、松っぽい」みたいな感じでぼんやり植物を見てましたけど、詳しく解説がしてあるのでテキストを読んでそのまま実地で学習出来て楽しい。
本物が目の前にあるんだもの。
森のポスト
森のポストなる展示もたくさんあって、これがまた楽しい。
どんな木が日常生活における何に使われているのか一目でわかるようになっています。
イチイのポストには鉛筆が入っていました。
木材によって手触りが違う~!
鉛筆の素材なんて考えたことなかったなぁ。
他にもヒノキは法隆寺に使われているということで法隆寺の模型が入っていたり、スギは酒蔵のスギ玉など、色々ありました。解説付きで楽しい。
パネルには木の特徴、実や葉の形などが書いてあるんですが、木の下を注意深く観察してみると、写真と同じ木の実が落ちてたりするんですよね。
「あー!これこれ!!これってこの木の実だったんだなぁ~」みたいな体験ができます。
意外と実と木が紐づいてなかったり、知識としては知ってたけど実物をそんなに意識してみたこと無かったなぁ、みたいな事も多いんですよねー。
大人も楽しみながら学習できました。知識と事象が一致するととてもワクワクするし興奮する。
そんなこんなで本日のメイン、桜保存林の観察へ
お花見といえばソメイヨシノが一般的ですが、そのソメイヨシノという品種についても全国で研究観察されてるんですね…科学園の本館ではサクラに関するパネル展示がありました。
もちろん桜の木の近くにも品種についての解説アリ。
アホなりに観察していて気づいた点としては、ソメイヨシノはエドヒガンザクラ(母種)とオオシマザクラ(父種)の交配で生まれた品種であること。
そしてエドヒガンザクラ(母種)とオオシマザクラ(父種)を交配したソメイヨシノ以外の品種が多数存在している事。
その多数の交配種が全国各地で観察されている事と、それらがこの多摩森林科学園でも観察できるという事、です。
ソメイヨシノのみでは交配できないこと、ソメイヨシノだけの環境では受粉しないため実がつかないのでソメイヨシノ単種では増えない、などなど、クローンらしいという情報は知っていたけどそれがどういう経緯でそうなってるのか、ぼんやりと知っていた物がわかりやすい解説と実際に植わっている桜を観察できました。
まぁ、知識がなにがどうってこともないんですけど、単純に楽しいじゃないですか?!?!
お花見でソメイヨシノを見る目が変わるの楽しくないです?
お前ら…自分たちでは種を増やせないんか…そうか…なんか儚いな!!みたいなさ、知識は情緒も増すんですよ!!!
とかなんとか言っておきながら写真は取るけど桜の品種までは覚えてないっていうダメなパターン炸裂してるので、普通にお花見してきました。
園内をぐるっと回ると約一時間半ほどかかるそうで。せっかくなので歩いてみました。
なかなかのアップダウンだったけど道は歩きやすかったですが、スニーカーで行こうね。
途中途中に休憩ポイントもあるので、お弁当持って行くのも良さそう。(アルコールは禁止です)
以下桜の写真が続きます
高低差が結構あるんですけど、のんびり桜を観察して歩くので体力ない引きこもり中年でも歩けました。
休憩ポイントと仮設トイレが多いのありがたい。
桜の時期はガイドさんらしき方も色んな所にいらっしゃるので、道に迷う事もなく進めます。
結構分岐点がおおいんですよねー。なので、見ごろの桜が都の辺にあるのかも教えてくれます。
複雑な地形を生かして、栽培ラインを分けて植えていたりするみたいです。
植物の観察研究としては、やはり特定の種がどうやって増えたか、ルーツはどこか、を知るところから始まるみたい。
前述のソメイヨシノに関する研究でも、同じ親種から生まれた桜が必ずしもソメイヨシノになるとは限らないという趣旨の研究によって生み出されたサクラの数々が実際に見られます。それぞれ交配された場所と名前がわかるようになっています。
地道な作業だ…
サクラの種類ってこんなにあるのかー、すごいなー、というアホ丸出しな感想しか出てこないわたしですけど、すごく楽しかった。
花びらの形とか、花の大きさとかこんなに違うんだなぁ。
ひとことで桜といっても本当に沢山の種類があって、それぞれの種が混ざって新しい桜が生まれたり、増えたり、増えなかったり、増やしたり、凄いなぁって思いました(作文
八重咲種はこれからが見ごろ
八重咲の桜は普段からぼけーっと観察していても遅めだよなーとは思ってたんですけど、全体的にも八重の桜って遅いんですね。
色んな八重の品種があったけどどれもまだまだ蕾が多かったです。
というかソメイヨシノが一斉に開花するのって全てクローンだかららしい。同じ環境で同じ種が固まっていたらそりゃそうなるわなと。逆に言うとコレだけ沢山の桜が一気に開花するのって珍しい光景でもあるんだって。
へー。
森の科学館の展示もおススメ
科学館の中では桜の時期はサクラに関するパネル展示がメインで行われてるようです。
アクリル樹脂かな?花をそのまま固めて観察できる展示もあり。
先に園内を探索してからここで復習するのもまた楽しい。
「あ、さっき見たやつ、これかー!」みたいなね、知識は反芻作業がまた癖になるんですわ。あ~っ!楽しい。
他にもはく製なども多数。
個人的にこれ好きだなーっておもったのがこの引き出し。
中に何が入っているのかというと…
引き出しに書かれた木に関する実などが入ってます。わーい!
どんぐりと一言にいっても木によって大きさも形も違って楽しい。
引き出しを開けるたびに違う物がはいっていて、これはホントいい引き出しだっ!!
というわけで、お花見と言う名の桜観察に行ってきました。
楽しかったー!!
そういえばちょうど観察チームが準備をしていて、紫陽花の枝に数字のかかれたリボン状のものを括り付けてました。あれは何の研究なんだろう…興味津々。
森林総合研究所 多摩森林科学園