『芳年-激動の時代を生きた鬼才浮世絵師』展に行ってきました~その1~
2016年の島根県立石見美術館から始まった『芳年-激動の時代を生きた鬼才浮世絵師』展がようやく東京にやってきました。
練馬区立美術館で2018年8月5日から9月24日までやっています。
今年の3月に山梨でやることをしって、すっかり山梨に行くつもりだったんですけど、夏まで待てば東京に来る、夏まで待てば…と思いながらじりじり待ってました。
芳年-激動の時代を生きた鬼才浮世絵師
中村橋の駅から歩いてすぐのところにある練馬区立美術館。
ガラス張りのエントランスにもしっかり芳年の作品がー!
もうちょっと近くに寄ってみましょう
義経記五条橋之図
左手に弁慶、右手に義経。二人が五条大橋で出会うめちゃくちゃ有名な場面がこんなところにー!!
広いガラスのエントランスだからできる演出…!!
これは入る前からなかなかテンション上がりますね!!!
この浮世絵は三枚つづりになっていて、弁慶、月、義経がバランスよくかつ大胆に配置されている構図になっています…なんという躍動感…
私は浮世絵は全然詳しくないんですが、とにかく芳年が好きで。
芳年の今にも動きそうな、前後の物語が伝わってくる絵が刺さるというか。
なんかこうぐわーーーー!!とくるのが好きです。
なんでこんなに好きなのかは上手く説明できない、もどかしい…
とにかく色んな浮世絵師がいるし有名な絵師は他にもたくさんいるけれど、私は芳年が好きです。
中に入ると吹き抜けの天井から大きな垂れ幕が下がっていて、これもこの縦長の構図をよく活かしていて、あ~~~~!!わかってらっしゃる~~~~~~!!!
※館内での撮影は案内所で確認許可を頂いています。展示室はもちろん撮影禁止。
エントランスのみ撮影OK。
この八百屋お七のこれ、、、これをさぁ、こんなに大きくしてくれて…ありがとう…
八百屋お七は文楽とか歌舞伎の主人公として有名な女の子なんですけど、知ってる人は聞き流してほしんだけど、家事で家を焼きだされてお寺で避難生活をおくってた時にお寺の小姓と恋仲になるんだけど、家が元通りになって恋人と離れ離れになっちゃったもんだから寂しくて、もう一度家事になって家が焼けちゃえばまたお寺で暮らせるんじゃね?恋人とまた一緒に…!!!って思って放火するっていう、なかなかのヤバさ…
捕まって火あぶりの刑にされた、っていうのが八百屋お七の簡単な説明なんですけど、それを踏まえてこれを見て欲しい・・・
しかもこれ、縦長の2枚絵なんですよ…なんてダイナミック…はぁ…好き…
そうそう、今回の展示ではこの手の二枚絵がずらーーーーっと並んでいて、それだけでも壮観です。
もうねぇ、ボリューミー。
とにかく最初から最後までこの量が全部芳年っていうのが幸せ過ぎて脳がパーンしそうでした。
概ね時代別に並んでいるのでとても分かりやすい展示になってました。
さすがオール芳年展だけの事はある…
年表もとてもわかりやすかったです。
年表見ながらあれこれ妄想したり、空白の時期になにがあったのかなーとか。
芳年が今の私と同じ年齢の時何をしてたのかなー、とか。
年表眺めてるだけで時間が過ぎていく…
展示は2階から
こんなところにも芳年作品がー。
月百姿の猿ー!!
言わずもがな孫悟空なんですけど、ござーるとか言ってる場合ではないぞ!!いい仕事してるな…
ちゃんと階段の先に兎もいます。
会場内はもちろん撮影不可なので、ロビーにあるものを撮りまくる…
練馬区立美術館の構造状、展示は二階フロアから始まります。
チケットを購入すると案内をしていただけるので指示に従おう。
一階フロアにも展示室があるんですけど、ここは最後ね。
結構なボリュームなので先におトイレ済ませておいた方が良いかもしれない。
豪傑奇術競
当時の人気キャラというのかなんというか、奇術使いだか妖術使いだか、とにかくヤバい術を使うキャラクターが一度に介しているこの絵、もう一枚(そちらも三枚つづり)のセットになっているんだけど、なんだ、週刊少年ジャンプのオールスター表紙か!?!みたいな…(伝わりにくい
奇術使い本人とその後ろには術で呼び出した眷属というかスタンド的なのとか入り混じってとにかくすんごいので、実物観に行ってみて欲しい…
ここで私がなんやかんや説明してもきっと伝わらないので、ちょっとでも浮世絵、芳年に興味のある方は是非!!
なんとなーく浮世絵って役者絵とか美人画とかしか想像つかないな~~~という人は本当にびっくりするので見て欲しいな~~~~!!
私は浮世絵のイメージがひっくり返ってしまって、大変です。
今回は本刷りの前の設定用のものとか、朱の入った状態のものとか、スケッチなんかも展示されていてムネアツでした。
こういう作品が完成する前の状態のものって浮世絵ならではって感じがする…元絵も何点かありましたし、なんと版木もあったんですよ!!!なんてこった…
絵師も凄いけど彫り師も凄い。浮世絵奥が深い本当に。
肉筆の絵も何点かあったんですけど、ちょっとガラスケース遠すぎて…もうちょっと近くで見たかったなぁ。
これ、本当に芳年の筆遣いなんだなぁ、なんて思うとなかなかその場から去りがたく…
何年か前にも太田記念美術館で見てるんですけどね、また会えたね!!みたいね!!
またどこかで会おうね!!みたいな!!!
幕末から明治にかけて活躍した、「最後の浮世絵師」と呼ばれることも多い芳年なんですけど、時代が変わる瞬間に生きていた人の「時間」が残ってます。その瞬間が残ってんの。
凄い事だこれは。
平成最後の夏に是非。
美術館の入り口にはこんなかわいい熊がお出迎えしてくれます。
わーい。
グッズもなかなか楽しげなものがあったので買ってみました。
続きはまた後日。
→続き
『芳年-激動の時代を生きた鬼才浮世絵師』展に行ってきました~その2~