犬の日記

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【太田記念美術館】妖怪百物語・月百姿【浮世絵】

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月岡芳年 妖怪百物語・月百姿


 

太田記念美術館での今年の夏・秋の特別展は月岡芳年づくしでしたね~。

先月8月には「妖怪百物語」が、9月は「月百姿」の特別展が開催されてました。

ブログ書くのをうっかりしていたらどっちも終わってたっていう…ちょっとサボりすぎました。

こういうのはやってる最中に書かないと意味ないのにな~とか思ったけど日記だしいっか。(開き直り)

 

 

 

 

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太田記念美術館

しかしながら芳年ファンにはたまらない特別展でしたねー。もちろん両方行きました。

↑の画像は妖怪百物語の開催期です。どちらも月岡芳年オンリーの特別展なので外側の常設掲示板にはポスターが両方貼られてました。

っていうか作家オンリーの展示が二回続けてとか、ちょっと珍しいかも。

だいたい同じ展示内容で前期後期に分けることが多いんですけど、ここの美術館は毎回いろんな趣向を凝らして浮世絵の展示をしてくれるんですよねー。さすが浮世絵専門の美術館だけのことはあります。

というわけで、今回は前期にあたる8月の展示で妖怪百物語、後期にあたる9月は月百姿、どちらも全点展示という芳年ファンにはたまらない内容でした。

 

妖怪百物語」では初期の作品「和漢百物語」と晩年の「新形三十六怪撰」がすべて公開されている貴重な展示でしたし、「月百姿」も百点全てを見ることが出来ました。

月百姿は人気の作品ですし、色々な所で数点見ることはよくある事なのですが、なかなか百点全てを同時に見ることはなかなか難しとのこと。次はどこの美術館で企画してくれるんだろう。

何度でも見たい~!

同じ作品でも企画する人が違えばテーマも変わってくるので色んな見方ができて楽しいんですよね。

だから何度でも足を運んでしまう太田記念美術館…そろそろ年間パスポート買った方がいい気がしてきたぞ…

 

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芳年といえばやはりどこで話題に出しても「血みどろ」「残虐」というキーワードが出てきてしまうのですが、たしかにそこも素晴らしいんですけど、ではなぜその残虐さが印象に残るように描かれているのか?というと、たくさんの作品の中で血にまみれた作品はもちろん、人を殺めるに至った過程や心理描写が描かれている作品が多いからなのではないかなと素人ながらに思ったりもしています。

静と動の対比がとても繊細に描かれているというか。

 

浮世絵一枚詰め込まれたストーリというか情報量が多いんですよね…

その辺の解説が細かく描かれている今回の図録はとてもよい本だと思いました。

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図録というと展示を行っている美術館でしか買えないものですが、今回は書籍仕様になっていて、本屋さんで購入できます。

もちろんネットでも買えます。

 

太田記念美術館の学芸員でもある日野原健司さんの解説付きで読み物としても楽しめる本になってます。

 

 

装丁もかわいい。

背表紙のこの辺とか(笑)

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こういった浮世絵本にはめずらしく、紙質がざらざらとしていてつや消しの状態で見られるのが何気に珍しい気がします。

だいたい図録ってツルツルした大判のフルカラーだし、浮世絵関連のムック本もほとんどツルツルの紙の本ばかりだったので、個人的にはとても読みやすかったかな。

もともと浮世絵の版だってツルツルじゃないですもんね。時代的には和紙になるのかなぁ。ざらっとしている方が趣があって好きです。

ツルツルすぎると光が照ってしまって見にくい時もあるし。ま、この辺は好みもあるけど。

 

サイズはB5の変形って言うんですかね?ちょっとあまり本屋では見ないサイズなんですけど、これがとても手に取りやすいというか。片手で持っても手首痛くならない!!(笑)図録というよりホント読み物として楽しめます。

特別展は終わってしまいましたが、是非書籍で堪能してみてくださいね~

 

 

 

 9月30日からは北斎の企画展が始まるみたいです。

今年はどこもかしこも北斎やってますよねー、重なる時は重なるな~

その後は菊川英山の没後150年記念特別展も控えていて、こりゃ~原宿通うしかないですな!

 

www.ukiyoe-ota-muse.jp