トーハク特別展「禅―心をかたちに―」に行って来ました。
東京国立博物館で開催中の「禅―心をかたちに―」特別展に行って来ました。
上野に来たのはこれが目的です。
いやー、嫁ぎ先が臨済宗なもんで、いい機会だから行ってみようかなって…
というのは建前で、ぶっちゃけ音声ガイド目当てのオタクとは俺の事だコノヤロウ
完全に一部クラスタを狙い撃ちされているキャスティングですよ。見事に釣られたお仲間がたくさんおりましてよ。
あ、いや、わたしは、ほら、一応これから臨済宗のお世話になる身ですし?なんていうか?
す、すみません。
とはいえ、なんだかんだ初トーハクだったので楽しんできました。
上野の森にはちょくちょく来てたけど、トーハクは初潜入でした。
なんて文化と縁のない人生を送ってきたんだ、わたしは。
とりあえず、外観からして存在感凄かったので、おのぼりさんよろしく写真撮りまくり。
トーハクといえば、そうそう、埴輪のマスコットだった。
重厚な建物の前にほんわかしたマスコットがお出迎えしてくれます。
本館では平安の秘仏と銘打った特別展が開催中。そっちもすごい見たかった。だが今日の目的は禅であるからして、奥の平成館へと向かう。
久しぶりに巨大建造物を見た気がするなぁ。
本館は近くで見るとすっごいカッコいい。
コンクリートの建造物に瓦屋根っていうのがいいですよね。
建物自体が重要文化財になってます。
でも今日はここじゃないんだな。
こちらは入って左手にある表慶館。
明治42年に開館した日本ではじめての本格的な美術館だそうで、建物自体が重要文化財になってます。
ここも中に入ってみたいなぁ、、、
逆光なのとアプリで加工したのでちょっと暗くなってしまった。
今回は平成館での開催でした。
平成館は近代的な建物で、いかにも博物館、美術館という感じ。
ラウンジや講堂なんかもあるんですって。
今回の展示でも、写禅語のワークショップやトークイベントなどの開催もされてるみたいですね。
私が行った日も僧侶の方がいらしてトークイベントをやってました。時間の都合で参加できなかったのが残念。
内容はというと、そりゃーもう、国宝から重要文化財からわんさか展示されていて、ざっと流しただけなのに3時間はかかりました…疲労。
そうだった、ガチの展覧会久しぶりすぎて忘れてたけど、すんごい気力と体力持ってかれるんだった。万全の体調で行かないと飲まれますね。
トーハクの詳細ページに主な作品が紹介されてるので参考にどうぞー。
かなり見どころ満載な展示でしたが、中でも重要文化財の蘭渓道隆坐像(らんけいどうりゅうざぞう)は剥き身の状態で展示されているので、なかなかの迫力。
ガラスの反射なしに細部まで見ることが出来ます。
しかも修復の過程で明らかになった技術などの解説付き。
当初は漆で全体が覆われていた像を、修復の際に漆を剥がし、さらに手の角度を変えてあるのだそうです。
漆が塗られていた時にはわからなかった表情や造形がはっきり見ることが出来ます。
序盤は禅の成り立ちから始まって、受け継がれていく過程、そして中盤は禅宗と武将との関係へ。政治に禅宗が取り入れられた理由などなど。
そういえば、相方氏のご先祖様のルーツもお武家さんなんですよねー。平家の落ち武者説が有効らしいです。
ちなみに「平家の落ち武者説」は祖母情報。なんで落ち武者呼ばわりなんだろう、、、っていうツッコミはしてません(笑)
更に言うと、祖母が嫁いだ時に臨済宗が覚えられなくて「ぜんざい宗だと思ってた」というフレーズが忘れられなくて私も暫くは「ぜんざい宗じゃなくて、、、えっと、そうそう、臨済宗だ」みたいな思い出し方をしてました。
義祖父の十三回忌の法要かなんかでそれをぶちかましていたのでインパクト絶大。さすがおばあちゃん、、、
話がそれましたが、まー、きっかけは何であれ、自分にちょっとでも関係する事は知りたくもなるってことで、こういうきっかけが大事だと思ってます。
興味がないければ素通りしてしまう事の多さよ。
話を元に戻すと、中盤で既に情報量がかなり多くてそろそろ疲労気味。前半はわりと禅についての歴史や禅僧についての展示がメインで肖像画や書などがメインしたが、後半から一気に立体物が多くなってきます。
羅怙羅尊者(らごらそんじゃ)の仏像、けっこう大きかったー!
生ラゴラ見れたのは良かったなぁ。
禅問答って、自分の中で悶々と考えて考えて、何かのきっかけてストンと腑に落ちることを「悟る」ってことなのかなぁ、などと漠然ととらえれたんですけど、胸の中にある顔を見せる羅怙羅像のように、具体的に表現されている物が見れて良かった、、、
めっちゃダイレクトじゃん!みたいな。
そもそも禅宗っていうのが経典とかなにもなくて、ただひたすら「人とはなにか」「生きるとはなにか」みたいなそういう自分や世界と向き合うものであって、伝え方も必ず師弟関係でしか受け継がれていかない物のはずなのに、やっぱり人っていうのは形にしたくなるもんなんだなぁ、、、で、後世の人がそれを見てまた考えるのか、、、そうか、、、などと、的外れな事を考えながら見てました。
なので、圧倒的に禅僧の像とか肖像画が多いです。特に前半は。
で、後半は禅と文化の関係についてがテーマになってくるので、仏像や壁画や水墨画がどどーんと追い打ちをかけてきます。
禅の起源が中国ということもあり、禅寺は異国文化の発信源とされていて、異国(中国)の美術品や技術などを学ぶ場でもあったそうで。
そうそう!狩野探幽の南禅寺の虎もありましたよー!!(前期のみの展示なので注意)
当時の日本では虎を実際に見ることが出来なかったらしいので、それはそれは勇猛で美しい動物に見えたんだろうなぁ。
最後の最後に若冲の壁画もあったりと、ソファーが無かったら倒れてたかも、、、
中央に広めのソファーがあるので、音声ガイドのフリートークや禅問答トラックなんかを聞いてしばし休憩してから帰るといいんじゃないかな!!
で、お目当ての音声ガイドですがこれですよ。これ。
井上和彦氏と関俊彦氏とか完全に狙い撃ちされてるね。
そこに反応してここまで来てしまいましたが、玉川砂記子さんってタチコマやん!今更気づいた!!
というわけで、音声ガイド付きで見るとよりいっそう知識が深まるとともに、じっくり見れるのでお勧めです。
シークレットトラックもあったりして(笑)
ナンバー108を押すと、煩悩を吹き飛ばしてくれる、かもしれない。
ちなみに私は完全に邪な目的で言ったので、煩悩は増すばかりでした。
臨済禅師1150年・白隠禅師250年遠諱記念 特別展「禅―心をかたちに―」は2016年11月27日(日)まで。
前期展示=10月18日(火)~11月6日(日)、後期展示=11月8日(火)~11月27日(日)と入れ替えがあるので、前期展示を見たい方はお早めに~。